About/ja
English • العربية • български • català • čeština • Deutsch • Ελληνικά • español • فارسی • français • hrvatski • magyar • italiano • română • 日本語 • 한국어 • lietuvių • Nederlands • norsk • polski • português • русский • Türkçe • українська • 中文(中国大陆) • 中文(台灣) • עברית • azərbaycanca • |
3Dプリンターが自分のコンピュータにつながっている状況を想像してみましょう。紙に印刷するのと違って、3Dプリンターでは機械部品など、作りたいものを実際に出力することができます。どのくらい頑丈に作るかを考えるときには、レゴブロックを思い出すと良いでしょう。3Dプリンターを使えば、機械部品だけではなく、生活などに便利なものを出力することも可能です。また面白いことに、他の3Dプリンターを作るのに必要な部品のほとんどを出力することもできてしまいます。つまり、3Dプリンターは自分自身をコピーできる、ということです。
発見と実現
RepRapは Adrian Bowyer によって考案され、2004年2月にインターネット上に公開されました。
RepRapという単語は、Replicating Rapid-prototyper(自己複製高速プロトタイピングマシン)を短縮した造語です。これは、左の動画にあるように、実用的な自己複製機能を持った3Dプリンターを表しています。この3Dプリンタではプラスチックを層状に積み重ねていくことで、部品を構築していきます。この技術はRepRap以前にも存在していましたが、業務用向けのものがほとんどで、最も安価なものでも€30,000(約400万円)ほどの費用が必要とされていました。また、これらは自己複製を行えるようには設計されていませんでした。そこで、RepRapチームが目的とし、現在も行っている活動は、自己複製ができて、より安く(材料費$350程度)作る方法を開発し、多くの人に向けて公開することです。これによって、先進国の個人だけでなく、発展途上国での小規模なコミュニティにも3Dプリンターを使うことができるようになりました。私たちは、フリーソフトウェア運動の原則にしたがって、オープンソースライセンス (GNU General Public License)下で、RepRapマシンを誰にでも無償で提供しています。したがって、もしあなたがRepRapマシンを持っているのであれば、それを複製してあなたの友達にあげることもできます。
RepRapプロジェクトは、2005年3月の大規模な報道の後に、世界に広く知られるようになりました。
自己複製
ナットやボルトをカウントしなければ、最新のRepRapでは、本体の70%のパーツを自己複製できます。その他のパーツについては、どこでも安価に手に入るパーツが選ばれています。RepRapの第一の目標は、便利なものを作ることができ、また安く簡単に同じような機械を他の誰かにつくることのできる機械をつくって、多くの人に譲ることです。
70%という割合を増やすため、RepRapの将来のバージョンでは、電子回路自体を自己複製することを目的として開発を続けています。これについて、IC以外の回路を自己複製する技術は、既に実証実験が行われています。これが完成した後には、トランジスターの自己複製など、より100%に近づけるように私たちは開発を続けていく予定です。
学術研究と歴史
査読を受けた学術論文を探している学者の方やその他の人に対しては、Roboticaに掲載されている以下の論文から読み始めることをお勧めします。
- Jones, R., Haufe, P., Sells, E., Iravani, P., Olliver, V., Palmer, C., and Bowyer, A.,: RepRap - The Replicating Rapid Prototyper (RepRap - 自己複製高速プロトタイピングマシン), Robotica (2011) 29巻, pp. 177–191. ケンブリッジ大学誌.
RepRap の自己複製機としての本質的な理解には、以下の論文が向いているでしょう。
- Bowyer, A., 2014. 3D printing and humanity's first imperfect replicator. 3D Printing and Additive Manufacturing, 1(1), pp.4-5. https://www.liebertpub.com/doi/abs/10.1089/3dp.2013.0003
この技術の法的側面について興味のある方には、以下の論文を読むべきでしょう。
- Bradshaw, S., Bowyer, A. and Haufe, P.: The Intellectual Property Implications Of Low-Cost 3D Printing (低コスト3Dプリントの知的財産権への影響), ScriptEd, 2010年4月 pp.5-31.
持続的な開発環境へ、RepRapをどのように利用できるかについて興味がある場合には、以下を参照して下さい。
- J. M. Pearce, C.M. Blair, K.J. Laciak, R. Andrews, A. Nosrat, and I. Zelenika-Zovko, 3-D Printing of Open Source Appropriate Technologies for Self-Directed Sustainable Development (自発的で持続可能な開発環境のための適切なオープンソース技術である3Dプリント), Journal of Sustainable Development' (持続的開発環境学誌), 3(4), 17-29, 2010年.'
RepRapの経済的な面に興味がある方は、以下をご覧ください。
- B.T. Wittbrodt, A.G. Glover, J. Laureto, G.C. Anzalone, D. Oppliger, J.L. Irwin, J.M. Pearce (2013), Life-cycle economic analysis of distributed manufacturing with open-source 3-D printers (オープンソース3Dプリンターを使った分散型マニュファクチュアリングによるライフサイクル経済分析), Mechatronics, 23 (2013), pp. 713-726. http://dx.doi.org/10.1016/j.mechatronics.2013.06.002 オープンアクセス (自作 Mendel)
- Emily E. Petersen and Joshua Pearce. Emergence of Home Manufacturing in the Developed World: Return on Investment for Open-Source 3-D Printers (先進国におけるホームマニュファクチュアリングの参入: オープンソース3Dプリンターへの投資利益率), Technologies 2017, 5(1), 7; doi:10.3390/technologies5010007 オープンアクセス (市販の Lulzbot RepRap)
- Emily E. Petersen, Romain W. Kidd, Joshua M. Pearce, Impact of DIY Home Manufacturing with 3-D Printing on the Toy and Game Market (3Dプリントを使ったDIYホームマニュファクチュアリングが与えるおもちゃとゲーム市場への影響), Technologies 2017, 5(3), 45; doi: 10.3390/technologies5030045 オープンアクセス
- Aubrey L. Woern and Joshua M. Pearce. Distributed Manufacturing of Flexible Products: Technical Feasibility and Economic Viability (柔軟な製品の分散型マニュファクチュアリング: 技術的な実現可能性と経済的な可能性), Technologies 2017, 5(4), 71; doi:10.3390/technologies5040071 オープンアクセス
- André O. Laplume, Bent Petersen, Joshua M. Pearce, Global value chains from a 3D printing perspective (3Dプリントの視点から見たグローバルバリューチェーン), Journal of International Business Studies 47(5), 595–609 (2016). doi:10.1057/jibs.2015.47 オープンアクセス
RepRapの環境的に見た利点に興味をお持ちの方は、以下の資料が向いているでしょう。
- Megan Kreiger and Joshua M. Pearce (2013). Environmental Life Cycle Analysis of Distributed 3-D Printing and Conventional Manufacturing of Polymer Products (分散型3Dプリントと従来の方法によるポリマー製品の製造における環境ライフサイクル解析), ACS Sustainable Chemistry & Engineering, Engineering, 1 (12), (2013) pp. 1511–1519DOI: 10.1021/sc400093k オープンアクセス
- Megan Kreiger and Joshua M. Pearce (2013). Environmental Impacts of Distributed Manufacturing from 3-D Printing of Polymer Components and Products (3Dプリントによる分散型マニュファクチュアリングがポリマー部品や製品に与える環境的な影響), MRS Online Proceedings Library, 1492, mrsf12-1492-g01-02 オープンアクセス
RepRapとその人口の普及に関する研究もあります。
- Erik de Bruijn: On the viability of the open source development model for the design of physical objects (物理的オブジェクトの設計におけるオープンソース開発モデルの実行可能性について), 2010年11月8日, ティルブルフ大学, オランダ.
RepRapのほぼ最新の学術文献レビューは、下記リンクから見ることができます。
RepRap Blog 全体のコピーを1つのPDFファイルとしてダウンロードするには、こちらをクリック (41MB, Thanks to Gary Hodgson) してください。現在オンラインのブログ上では、初期の画像へのリンクが壊れてしまっていますが、こちらのファイルにすべてまとめられています。
RepRapに関する論文や、学生によるRepRapプロジェクトは数多くあり、これらはPDFファイルとしてこちらのサイトで利用可能となっています。それらは全て関連するページからリンクされていますが、これらにはインデックスを付ける必要があります。これが完了するまでには、こちらのリンクから、全ての論文を含んだ完全なリストを見ることができます。
バース大学にて、Adrian Bowyer と Ed Sells によって作られた、RepRapとして最もはじめのマシンである、RepRap Darwinは現在、ロンドン科学博物館に収蔵されています。
RepRapを広める
RepRapのロゴとQRコードは自由に使って構いません。(ただし、ライセンスへの同意が必要です。)
用語(英語)
- RepRap - 名詞 それ自身の部品の、かなりの部分を自己複製することができる、フリーな高速プロトタイピングマシン, 動詞(小文字では to reprap) RepRapマシンを使って何かを作ること
- RepStrap - 名詞 自己複製機能は持たないが、RepRapのパーツを作成することを目的としてつくられた、フリーな高速プロトタイピングマシン
- reprapper - 名詞 RepRapやRepStrapを作ったり、使ったりする人のこと
- reprapable - 形容詞 RepRapマシンによって作'られる'ことができること、もの
関連項目
解説動画
Adrian Bowyer による、RepRapと自己複製マニュファクチャリングマシンに関する話とQ&Aの最新動画です。